2014年1月17日金曜日
Bail-inかBail-outか。それが問題だ。
経営難の銀行の救済方法は2通りある。
銀行が保有する預金の一部を使って損失の穴埋めをするBail-in(ベイルイン)と、
銀行の保有する劣化資産を外部資金で買い取って、一時的に資産価値を上向かせるBail-out(ベイルアウト)だ。
欧州は2012年頃の債務危機で、キプロスの銀行を救済する際に前者Bail-inを採用した。
アメリカは2008年頃のサブプライム危機で急落したMBS(住宅ローン債権証券)を、中央銀行FRBが買い支える後者を採用した。
方策の是非はまだはっきりとしないが、
前者は銀行をある程度反省させ(Bail-inされるような銀行からは預金者が離れるだろう。そうなると銀行は真剣に預金者の獲得に励むだろう)、
後者は銀行を甘えさせる(どうせ中央銀行が救ってくれるなら好き勝手やってやろう、と考える)だろう。
FRBの度重なるQE(Quantitative Easing)でもなかなか経済が上向かないので、
次に経済危機が生じた場合には、最近復調傾向にある欧州を見習ってBail-inを採用する可能性がある。
アメリカより過激な緩和(GDP比でアメリカよりハイペースな国債買い支え)策を採っている日本も例外ではない。
日本の預金者もうかうかしていると、
ある日突然自分の預金が一律カットされて、
銀行の不良資産の穴埋めにまわされるかもしれない。
欧州が経営難の銀行の救済にキプロス型のBail-inを追加で行う可能性を示唆している。(2013年12月11日)
EU set for more Cyprus-style bail-ins for troubled banks
http://www.cnbc.com/id/101263206
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿