2014年5月22日木曜日

[5-10分モノ]想定通り:ロシアと中国の天然ガス契約

2014年4月20日の投稿の中の「<エネルギー資源貿易の枠組みについて>」で触れた通り、2014年5月21日にロシアと中国が天然ガスに関する契約をまとめました。
詳細は日本語の記事に譲ります。

ロシアのガスプロム、中国への天然ガス供給契約に調印(2014年5月22日)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0E10SH20140521?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0

さて、4月20日の投稿でもう1点触れていたことがあり、こちらも重要です。


(ロシアと中国間のエネルギー貿易においては)ドルを使った決済は行われず、ロシア・ルーブルもしくは中国人民元を利用した決済が行われる可能性があります。
これは、ただでさえ弱りつつある、アメリカ覇権の根幹にあるドルの基軸通貨性を"さらに"弱めることにつながります。


というものです。
こちらについてはあまり報道がなされていないようですが、その布石と思われる動向について、RT(Russia Today)が2014年5月20日に報じた記事を見てみましょう。

Russia’s VTB and Bank of China agree on domestic currency settlements
http://rt.com/business/160124-vtb-bank-china-currencies/

VTB, Russia’s second biggest lender, has signed a deal with Bank of China, which includes an agreement to pay each other in domestic currencies.

"Under the agreement, the banks plan to develop their partnership in a number of areas, including cooperation on ruble and renminbi settlements, investment banking, inter-bank lending, trade finance and capital-markets transactions”

(訳)VTB、ロシア第二位の規模の融資機構は、(訳注:同じく中国第2の商業銀行である)中国銀行と、相互の通貨で決済を行うことに合意することを含む取引にサインしました。
「今回の合意の下では、VTBと中国銀行は多くの領域でパートナーシップを発展させる計画でいます。協力する領域には、ロシア・ルーブルと中国・人民元の決済通貨化、投資銀行業務、銀行間融資、

貿易決済(訳注:今回の天然ガス契約を指しているのでしょう)

、そして資本市場での売買などが含まれています。」


C:予測通り、ウクライナの事件でロシアと欧州の関係が悪くなったことで、ロシアは中国と手を結びやすくなり、結果としてドルの基軸通貨性を弱めることになりましたね。


A:そうですね。
次のビックイベントは2014年5月25日(日)のウクライナ大統領選挙です。
「Update:ウクライナ新政権の実態」で触れたように、現在のウクライナは暴力的な政党が優位な立場にあります。
大統領選挙においても何らかの暴力的な圧力が加わる可能性があります。
また、結果についてレビューしたいと思います。

*ウクライナ新政権の実態を報じた動画を再掲します。流血や死体が出てくるシーンがあります。食事前後などの視聴は避けた方が良いかもしれません。

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